今流行りの「東京タラレバ娘」読んできました。
いやぁ、めっちゃ面白いわこれ。
女友達と楽しくやっていたら33歳になっていたアラサー女子のお話。
容赦なく痛いところを突いてくるリアルな描写で、心が折れる人多数。
あまりにも容赦ないので、読むと屍になる現代のホラー漫画だという声もちらほら。
だけどそのリアル感に、グイグイ引き込まれる。
タラレバ娘とは?
「~してたら」や「~してれば」と「たられば」ばかりを繰り返す女性たちを指す言葉。
過去の選択を後悔して嘆いたり、してもしかたがない話ばかりする人たちのこと。
作中では倫子(ワンナイト担当)、香(セフレ担当)、小雪(不倫担当)の3人を指していた「タラレバ娘」。
でも実際には年齢・性別関係なく、過去の選択を後悔する人たちはたくさんいる。
さらっと感想
ぼくは23歳の男だし「東京タラレバ娘」の対象読者じゃないと思っていたから、気楽なスタンスで読んでいたけど、年齢も性別もタラレバ娘と異なるぼくにも、心に突き刺さる描写が数多くあって、物語に引き込まれていった。
でも年齢も性別も違うアラサー女子の切迫した心境は、肌感覚で理解ができない。
ぼくから見たら、倫子・香・小雪はとても綺麗で、仕事も充実していて、自分の居場所があって、むしろ羨望される対象なんじゃないか?と思う。
なかなかこの3人のスペックを上回る人っていないと思うんだけど、どうなんだろう。
もしかしたら、いつまでも夢見がちなアラサー女子に対して、痛々しいくらいに厳しい現実を突きつけることで「行動しなかったら、ずっとこのままだよ」と伝える作者なりのエールなのかもしれない。
そこそこ高スペックな倫子・香・小雪を、未婚という理由でやたら不幸に描き、危機感を煽って、アラサー女子に対してパラダイムシフトを起こそうとしている。
きっと作者の身の回りには、こじらせたアラサー女子が多いのかな?
20代男のぼくでも共感できた台詞
東京タラレバ娘には、ぼくみたいな23歳の男でも共感できるセリフがいくつもあった。
東京のど真ん中って自分を見失いがちだ。
くるくる変わる、でっかいビルのでっかい広告。
見出しだけキャッチーな誰が書いたか分からないテキトーなネットニュースを見ながら。
次々できては、すぐに潰れる流行りのカフェでお茶をして。
高いお金払って食べたケーキの味もすぐに忘れてしまう。
東京は好きだけど。華やかで刺激的で楽しい街だけど。
歳をとるにつれ、自分らしさがこの街に溶けてなくなっていく気がする。
オリンピックの頃にはこの街はどうなっているんだろう。
私はどうなっているんだろう。
東京に吸収された透明で空っぽなおばさんになって。
誰からも気づかれない透明人間として東京で暮らすんだろう。
東京って目新しいものばかりで、街を歩くだけで楽しい。はい、田舎者です。
その一方で、東京に吸収されていく気持ちがすごく分かる。
たぶん新宿駅周辺の喧騒に対して何も思わなくなってから、自分は東京に飲み込まれたんだと思う。
立ち上がれない。そんなこと言われても立ち上がり方がわからない。
だってこの数年の私達は、女子会と称して酒ばっかり飲んで。
出会いがないとか、いい男がいないとか愚痴ばっかり言って。
つまんない男と結婚した同級生を憐れんで。
合コンばっかりやってる若い女の子たちをバカにして。
そして30歳を越えた私たちはいつも試合には参加せずに、みんなが頑張って戦っているのを、ベンチの中から見物して偉そうなことばかり言ってた。
ボールが飛んでこない外野から、あれこれ言うのはちょー簡単。
でも。欲しいものがあるなら、見てるだけじゃだめ。
待ってたら、与えてくれる人が現れるなんてありえないから。
欲しいものがあるなら、自分から手に入れにいかないとね。
何かあっただけマシ。何もないほうがマシ。
誰からも相手にされないよりはマシ。
一晩の過ちの相手がイケメンだったからマシ。
あの女より顔もスタイルもマシ。
やりたい仕事でメシ食えてるだけマシ。
もう33歳だけど40オーバーの独女よりは全然マシ。
でも、いくら『マシ』を数えたって私の人生、全然幸せじゃない。
上を見たらきりがないように、下を見たら見たできりがない。
誰かを見下すことで一時の優越感を得られるときもあるけど、根本的な解決にならない。
まとめ
ドラマにハマった人なら、漫画も絶対読んだほうがいい。
恋愛や婚活に悩む女性にとっては、いい処方箋になるし、女心を知りたい男性にとってはいい勉強になると思う。