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【書評】都築響一の「圏外編集者」から学ぶグーグル先生じゃ教えてくれないこと

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都築響一さんという編集者の存在を知ったのは、エロトピア・ジャパンという展示会に行った時だった。

www.yauyuism.com

展示会の帰りに本屋でこの本を偶然見かけたとき、なにか縁を感じずにはいられなかった。

編集者のハウツー本かな?と衝動買いしてみたが、メインは都築響一さんのこれまでの生き様だった。

 

編集者とは

・編集者の仕事は企画を考えて、取材したり作家に執筆してもらったりして、本や雑誌を組み立てること。

スムーズに本が生まれるための交通整理をすることで、著者が創作以外のことを考えなくていいようにすること。

・自分の世界観を拡張させていくことが編集者にはすごく大切。

・好奇心とアイデアと、追いかけていくエネルギーだけが溢れるほどあれば、それ以外のものは後からついてくる。

独自の切り口だったり目のつけどころがおもしろい本を作るのに大切なのかなって。

おもしろい切り口を考えるのに必要なのが、好奇心やアイデア、エネルギーなのかなあってぼんやりイメージ。

モノに対する切り口や目のつけどころが大切なのは、ブログを書いてる人にも通ずる。

 

とにかく自分で体験してみることが大事

・とにかく現場に行って、新しい何かと出会う喜びを忘れないこと。

・いきなりネットで検索しないで、自分のアタマとフトコロ(お金)でジャッジする癖をつける。

それが自分の嗅覚を育てる上で、一番手っ取り早い方法。

・他人の意見(食べログ)に従うのではなく、とにかく自分で選んで食べる。

美術でも文学でも音楽でも、他人の評価ではなくて自分でドアを開けてみないと、経験は積み上がらない。

そうやって場数を踏んでいくことで、「聞く耳を持たないようになる」のが実は物凄く大事。

インターネットでなんでもできる時代になったけど、自分で見た・聴いた・会った経験には敵わない。

だからインターネットの検索(他人の評価)に頼らずに、自分で選択して場数を踏んでいくことでしか、おもしろいものを見つけるための嗅覚は磨けない。

誰もやっていないことをするには、他の人と同じことをしてはいけない。

 

羨望や欲求不満を煽っていく既存のメディア

・日本の国土の90%は地方。なのに多数派の僕らはどうして少数派を目指さなくちゃならないのだろう。

 

・テレビを見ても、雑誌を読んでも、紹介されているのは自分の小遣いでは一生泊まれないような宿ばかり。そういうものばかり見せられているうちに、劣等感やブラストレーションを抱きかねない。メディアの描く図式は一緒。

 

・みんながやってることを、どうしてメディアは取り上げられないのか。それが僕には長いこと疑問だった。もし、みんなにはできない、一握りの人たちにしかできないことしか取り上げられないのなら、みんながやっていることには価値が無いのか。

 

大多数の人が好きだったり、たくさんあるものなのに、俗悪とか無教養とかのレッテルを貼られて、これまできちんと取り上げられずにいたものがなんで取り上げられないんだろうという苛立ち。

 

今記録しておかないと消えてしまうという危機感。

 既存のメディアは、現実離れしたものしか取り上げない。

しかも、それを当たり前の存在であるかのごとく報じるから受け手に不要な劣等感を抱かせる。

 

「石の上にも三年」は間違い

未だに「石の上にも三年」とか言う上司や先輩がいる。

それは石の上に三年いちゃった奴が言うセリフだ。

自分が苦労したから、後輩も同じ目にという意地悪な発想とまでは言わないけど、転職なんてどんどんすればいい。

合わないと思ったら、辞めちゃえばいい。

そういう直感は意外と正確だから。

 

3年同じところで我慢していたら、感覚が失われる危険がある。

郷に入ったら、いつの間にか郷に従ってる自分がいた。

合わない編集部で我慢するのは、サイズの合わない洋服を着ているうちに自分が洋服の体型になること。

スーツが似合う時がやってくるのは、自分が成熟したのではなくて「スーツ世界の人間」になってしまっただけのこと。

 

みんな世間の冷たい目を無視し、はね返しながら自分の世界に生きている。

今の自分にとってタイムリーな内容だった。

3年いるかどうかが正しいか間違いかなんて、3年経ってないぼくが言えることじゃない。

だけど「石の上にも三年」という言葉に支配されて、同じ場所に居続けることはかっこいいことなのだろうか?

惰性で生きて思考停止した人間になるくらいなら、白い目で見られても自分の思考で行動できる人間になる。

 

 

編集者でない今の自分が読むと、得られる情報量が少なかった。

だから編集者になってからまた読みたい。また新しい世界が見えるはず。

それでも、実直な言葉で書かれたこの本の強いエネルギーを感じることはできた。

編集者のみならず、すべてのクリエイターに読んでもらいたい。

 

圏外編集者

圏外編集者